レポート:『ねこのほそみち』出版記念イベントが行われました!

2015年5月12日(木)19:00~
 堀本裕樹・ねこまき著『ねこのほそみち』(さくら舎)出版記念イベント「ねこ俳句と戯れよう!」が行われました。当日約30名ほどの方にお集まりいただき、終始和やかな雰囲気の楽しいイベントとなりました。

 定刻となり、まずは著者・堀本裕樹からゲストの俳人日下野由季さんのご紹介。そして、『ねこのほそみち』4刷の吉報をご来場の方々に報告。『ねこのほそみち』をつくったときの俳句解説についてお話ししていました。
 ちなみに漫画を描いてくださったねこまきさんとは、事前に打ち合わせを行わず、お互いが好きなように俳句解説・漫画を描いていたそうです。

 ゲスト・日下野由季さんは書籍内の「哀しみのかたちに猫を抱く夜長」という俳句の作者です。ねことイタリアをこよなく愛するという方。ご自身がねこを飼っていたエピソードもお話しいただきました。

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終始和やかな雰囲気でした。

 ご紹介後は早速お二人による『ねこのほそみち』についてのトーク。気に入った俳句や解説、ねこまきさんの漫画などを紹介していただきました。中でも「たばこ吸ふ猫もゐてよきあたたかさ」という俳句に関してはトークが盛り上がりました。日下野さんは、ねこまきさんの俳句の感性を絶賛していました。

 また、『ねこのほそみち』の帯にもなっている「叱られて目をつぶる猫春隣」という俳句に関して、言葉の選び方の重要性についてお話しがありました。この俳句の季語は“春隣”なのですが、実は冬の季語です。冬の季語でありながら、もうすぐ春がきて、暖かくなりそうな明るい雰囲気があります。もしこの句の季語が春隣り以外の冬のものだったら、この猫がずっと怒られていそうなイメージと日下野さんがおっしゃっていました。また、猫の部分が犬だったら、しっくりこないね、とお二人。言葉の選び方一つでその俳句の雰囲気も変わってしまうということがよくわかるお話でした。

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俳句穴埋めゲームは大盛り上がり

 お二人のトーク終了後、ねこ俳句ゲームがありました。ご来場の方に、ねこ俳句の穴埋め問題3問が書かれた紙をお配りし、正しい答えではなく、自分の思うままに言葉を書いていただくゲームです。
 堀本氏・日下野さんが面白いと思ったものを数々紹介。いろいろな発想の方がいて、大いに盛り上がりました。特に2人の印象に残る穴埋めを作った方にはプレゼントも!中身は直筆のねこまきさんのイラストと堀本さんの俳句の書かれた色紙でした。今回のイベントのためだけに作られたものです。10名の方々にプレゼントされました。面白い回答続出で、会場は大きな笑いにつつまれました。

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面白い回答者には色紙のプレゼント

問題は
①□□□□に出てゆく猫や桐の花  横山房子
(たたかひ)
②遅く起き猫と□□□を頒ち食す 田川飛旅子
(秋刀魚)
③暫く聴けり猫が転ばす□□□の音 石田波郷
(胡桃)
※カッコ内が元句

の3問でした。
 1番では戦場や宴会など、場所に関するものが多く答えに出ていました。桐の花が初夏の季語であることをはじめて知った方もいたことと思います。
 2番では重湯やうどんなど、ユニークな言葉を入れている方もいました。意表を突く回答で、「昨日」というものもありました。これには堀本さん・日下野さんも驚いていました。
 3番はもぐらやねずみなど、少し残酷な光景が浮かびそうな回答も出そろっていました。猫が転ばして遊ぶものといえば…と考えてのことだったようです。もぐらにはお二人もびっくりさせられましたが…。
 このように多数、様々な回答が出そろい、俳句をあまり知らない方でも楽しめるゲームになっていたかと思います。

 最後はサイン会。ご来場の方それぞれがお持ちの書籍に堀本さん・日下野さんがサインを書き、多くの方にお並びいただきました。

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サイン中のお二人

 『ねこのほそみち』の魅力が伝わる素敵なイベントになったのではないでしょうか。俳句初心者の方にも楽しんでいただけたようで、大盛況で終えることができました。これを機に多くの方が俳句に少しでも興味を持っていただけたらと思います。